スモールビジネスの作り方 ビジネス基礎編 学ぶシリーズ

【仮想ストーリーで学ぶ!】主婦が月商100万円を実現したオンライン料理教室モデルの分析

※この記事は実在の人物をモデルにした創作ストーリーです。ビジネスのヒントとしてお読みください。

はじめに

2024年の春、私は自宅のキッチンでノートパソコンの画面を見つめながら、3年前の自分を思い出していました。月商が初めて100万円を超えた瞬間、涙が止まりませんでした。

「ママ、また泣いてるの?」

小学3年生になった次女が心配そうに覗き込みます。彼女の食物アレルギーが、私の人生を変えるきっかけになるなんて、当時は想像もしていませんでした。

2021年春、緊急事態宣言下。外出もままならない日々の中、私は毎日同じ疑問を抱えていました。

「このまま専業主婦でいいのだろうか」

3人の子育てに追われ、社会から取り残されていく焦り。夫の収入だけで生活はできていたけれど、心のどこかで「私にも何かできるはず」という思いが消えませんでした。

でも、現実は厳しい。末っ子はまだ2歳。上の子たちも小学校低学年。「今は無理」「子どもが大きくなってから」そんな言い訳ばかりが頭に浮かびます。

あなたにも、きっと似たような「できない理由」があるのではないでしょうか。時間がない、お金がない、スキルがない、自信がない...。

でも、本当にそれは乗り越えられない壁なのでしょうか?

私の3年間の物語を通じて、その答えを一緒に見つけていきましょう。

ケーススタディ:制約から生まれるビジネスチャンス|アレルギー対応料理教室の着想

転機となった出来事

2021年6月、次女の美月に重度の卵アレルギーが見つかりました。アナフィラキシーショックで救急搬送された日のことは、今でも鮮明に覚えています。

「お母さん、美月ちゃんの食事は今後十分に気をつけてくださいね」

医師の言葉が重くのしかかりました。それまで料理は「そこそこできる」程度。アレルギー対応食なんて、考えたこともありませんでした。

必死でアレルギー対応レシピを研究する日々が始まりました。卵を使わないお菓子、乳製品なしのグラタン、小麦粉を使わないパン...。図書館で本を借り、ネットで情報を集め、試行錯誤を繰り返しました。

「失敗ばかりだったんです」と、今では笑い話にできますが、当時は本当に辛かった。美月に「これ、おいしくない」と言われるたびに、母親失格だと感じていました。

転機は3ヶ月後に訪れました。

ママ友からの声

「美咲さん、この前の運動会のお弁当、美月ちゃんすごく美味しそうに食べてたよね。うちの子も小麦アレルギーなんだけど、レシピ教えてもらえない?」

同じ幼稚園のママ友、佐藤さんからの一言でした。

その日の夕方、我が家のリビングで即席の料理教室が開かれました。米粉を使った唐揚げの作り方を教えながら、佐藤さんの真剣な眼差しに驚きました。

「こんなに簡単にできるなんて!うちの子、きっと喜ぶわ」

佐藤さんの笑顔を見て、初めて気づきました。私と同じように、子どものアレルギーで悩んでいるお母さんたちがたくさんいるということに。

翌週、佐藤さんが別のママ友を連れてきました。「私にも教えて」「うちの子は卵と乳製品がダメなの」。気がつけば、5人のママたちが集まっていました。

でも、問題がありました。

コロナ禍という現実

「また緊急事態宣言だって。もう集まれないね...」

2021年の夏、感染者数の増加で再び外出自粛が求められました。せっかく始まった料理教室も、これで終わりかと諦めかけていた時、佐藤さんが提案してくれました。

「Zoomでやってみない?」

正直、不安でした。パソコンは苦手だし、オンラインで料理なんて教えられるのか。でも、「やってみたい」という皆の声に背中を押されました。

最初の一歩

2021年8月15日、記念すべき第1回オンライン料理教室。参加者は3人。私は朝から緊張で手が震えていました。

「あれ?音声入ってる?」 「画面が真っ暗なんだけど」 「ママー!おやつまだー?」

案の定、トラブルの連続でした。カメラの設定を間違えて天井しか映っていなかったり、末っ子が画面に乱入してきたり。45分の予定が、結局1時間半もかかってしまいました。

でも、レッスンが終わった後のチャットメッセージに救われました。

「美咲さん、本当にありがとう!画面越しでも十分わかったよ」 「子どもが騒いでも気にしないで。うちも同じだから(笑)」 「来週もやってほしい!」

実践のヒント:最初から完璧を求めない 私の失敗から学んだことは、「完璧じゃなくていい」ということ。大切なのは、相手の役に立ちたいという気持ち。技術的な問題は、やりながら改善していけばいいのです。

制約が生んだ創造性

オンラインだからこその工夫も生まれました。

材料は事前にLINEで共有し、各自で準備してもらう。手元がよく見えるようにスマホスタンドを活用。録画機能を使って、後から見返せるようにする。

「対面じゃないからダメ」ではなく、「オンラインだからこそできること」を考えるようになりました。

例えば、それぞれの家のキッチンで同時に作るので、「うちのコンロは火力が弱くて...」といった個別の悩みにも対応できました。子どもが泣いても、ミュートにすれば他の人に迷惑をかけません。

ターゲットの明確化

3ヶ月続けるうちに、参加者の共通点が見えてきました。

  • 子どもに食物アレルギーがある
  • 仕事や下の子の世話で外出が難しい
  • 料理は苦手ではないが、アレルギー対応食に悩んでいる
  • 同じ悩みを持つママたちとつながりたい

私と同じような境遇の人たち。だからこそ、本当に必要としている情報を提供できる。これが、私の強みになりました。

ビジネスの学び

  • 制約は創造性を生む原動力になる
  • 自分の経験や悩みは、誰かの役に立つ可能性がある
  • 小さく始めて、改善を重ねることが大切
  • ターゲットを明確にすることで、提供価値が明確になる

この時はまだ、これがビジネスになるなんて考えてもいませんでした。でも、振り返ってみれば、この「制約だらけのスタート」が、後の成功の土台になっていたのです。

SNS集客戦略の実践例|Instagram活用で見込み客を獲得する方法論

Instagram戦略の進化

2021年10月、ママ友の一人が言いました。

「美咲さん、これInstagramで発信したら?絶対需要あると思う」

正直、Instagramは写真を見る専門で、投稿なんてしたことがありませんでした。40歳を目前にして、今さらSNS?という気持ちもありました。

でも、せっかく作ったレシピを記録として残したい。そんな軽い気持ちで、アカウントを作ってみました。

@misaki_allergyfree_kitchen

最初の投稿は、卵なしで作るパンケーキの写真。恥ずかしさから、顔も声も出さず、ただ完成品の写真だけ。いいねは、身内を含めて5つだけでした。

「誰も見てくれない...」

1ヶ月経っても、フォロワーは20人程度。ほとんどが知り合いでした。このまま続ける意味があるのか、悩みました。

転機は、ある投稿でした。

ハッシュタグの発見

「#アレルギー対応レシピ」「#卵不使用」「#アレルギーっ子ママ」

それまで適当につけていたハッシュタグを、きちんと調べて選ぶようにしました。すると、少しずつ知らない人からのいいねが増え始めたのです。

「はじめまして!うちの子も卵アレルギーで、参考にさせていただいてます」

初めてのDMに、心臓が飛び出そうでした。画面の向こうに、私と同じ悩みを持つ人がいる。その実感が、投稿を続ける原動力になりました。

ビフォーアフター写真の威力

3ヶ月目、ある気づきがありました。

「完成品だけじゃ、作り方がわからないよね」

そこで始めたのが、調理過程のビフォーアフター投稿です。

1枚目:材料を並べた写真 2枚目:途中経過 3枚目:完成品

特に反響が大きかったのは、「失敗例」も載せたことでした。

「米粉パンケーキ、1回目は大失敗!ぺちゃんこになりました。原因は混ぜすぎ。2回目は優しく混ぜたら、ふわふわに♪」

このリアルな投稿に、共感のコメントが殺到しました。

「私も同じ失敗しました!」 「失敗の原因がわかってスッキリ」 「プロじゃない感じが親近感あって好き」

ストーリーズでの双方向コミュニケーション

フォロワーが500人を超えた頃、ストーリーズを活用し始めました。

「今日の夕飯、何にしようか悩み中。アレルギー対応で子どもが喜ぶメニュー、アイデアください!」

すると、たくさんの返信が。

「うちは米粉餃子が人気です」 「豆乳グラタンはどうですか?」 「ソースさえ工夫すれば、普通のハンバーグでもOK」

この双方向のやり取りが、コンテンツ作りのヒントになりました。フォロワーさんの「困った」を解決するレシピを投稿すると、保存数が格段に増えました。

コンテンツ戦略の確立

半年後、投稿スタイルが確立されました。

月曜日:週末作り置きレシピ 忙しいママのために、まとめて作れるアレルギー対応の常備菜を紹介。

水曜日:10分で作れるシリーズ
「えっ、これ本当に10分?」と驚かれるような時短レシピ。子どもがぐずる前に完成するのがポイント。

金曜日:おやつレシピ 週末に子どもと一緒に作れる、簡単なアレルギー対応おやつ。

この規則正しい投稿で、フォロワーさんも「金曜日は美咲さんのおやつレシピの日」と楽しみにしてくれるように。

リール動画への挑戦

2022年春、フォロワー3,000人の壁にぶつかりました。成長が止まったのです。

そんな時、フォロワーさんから「動画で見たい」というリクエストが。正直、動画編集なんてやったことがない。でも、「できない」で終わらせたくありませんでした。

最初のリール動画は、15秒の「卵なし・バナナマフィンの作り方」。編集に3時間もかかりました。

でも、投稿してびっくり。再生回数が一晩で1万回を超えたのです。

「動画だとすごくわかりやすい!」 「この速さなら最後まで見られる」 「保存して何度も見返してます」

実践のヒント:新しいことへの挑戦を恐れない 最初は時間がかかっても、慣れれば効率化できます。私も今では15分で1本のリール動画を作れるようになりました。大切なのは、完璧じゃなくても始めてみること。

数字の変化と気づき

3ヶ月目(2022年1月)

  • フォロワー:100人
  • 月間リーチ:5,000人
  • 問い合わせ:0件

6ヶ月目(2022年4月)

  • フォロワー:1,000人
  • 月間リーチ:50,000人
  • 問い合わせ:月5件

12ヶ月目(2022年10月)

  • フォロワー:5,000人
  • 月間リーチ:200,000人
  • 申し込み:月20件

数字以上に嬉しかったのは、フォロワーさんからのメッセージでした。

「美咲さんのレシピのおかげで、息子が『ママの料理、おいしい』って言ってくれました」

「アレルギーで諦めていた料理にも挑戦できるようになりました」

無料と有料のバランス

フォロワーが増えるにつれ、「もっと詳しく教えてほしい」という声が増えました。でも、全てを無料で提供していては、時間がいくらあっても足りません。

そこで、線引きをしました。

無料(Instagram)

  • 基本的なレシピと作り方
  • 日常的な情報発信
  • 簡単な質問への回答

有料(オンラインレッスン)

  • 詳細な調理のコツ
  • 個別の悩み相談
  • 失敗しないためのポイント解説
  • レシピのアレンジ方法

この差別化により、「もっと学びたい人」が自然とレッスンに申し込んでくれるようになりました。

ビジネスの学び

  • 一貫性のあるブランディングが信頼を生む
  • フォロワーの声に耳を傾け、求められているものを提供する
  • 無料コンテンツは集客、有料サービスは価値提供と役割を分ける
  • 数字を追うより、一人一人との関係性を大切にする

SNSは単なる発信ツールではなく、同じ悩みを持つ人たちとつながる「架け橋」でした。そして、このつながりが、次のステップへと導いてくれたのです。

価格設定とリピーター戦略のモデルケース|サブスク化による収益安定化

価格設定の試行錯誤

2022年1月、ついに有料レッスンをスタートすることにしました。でも、最初の壁は「いくらにするか」でした。

「お金をもらうなんて、おこがましいかな...」

主婦の感覚で、最初は1回1,000円に設定しようとしました。でも、夫に相談すると意外な答えが返ってきました。

「1,000円?安すぎない?美咲の時間と知識の価値は、もっと高いよ」

結局、1回60分で2,000円からスタート。それでも「高いと思われたらどうしよう」と不安でした。

初回の申し込みは3名。全員、Instagramの熱心なフォロワーさんでした。

「2,000円でこんなに教えてもらえるなんて、安すぎます!」

レッスン後の感想に驚きました。私が提供している価値を、私自身が一番理解していなかったのです。

サブスクリプションモデルへの転換

3ヶ月後、ある問題に直面しました。

「毎回予約を取るのが大変」 「継続的に学びたいけど、都度払いは負担」

参加者からこんな声が上がり始めたのです。そこで思い切って、月額制のサブスクリプションを導入することにしました。

2022年6月スタート:ベーシックプラン】

  • 月額8,000円
  • 月4回のグループレッスン(各60分)
  • レシピPDF付き
  • Facebookグループでの質問し放題

最初は「高いと思われるかも」と心配しましたが、なんと初月で15名が申し込んでくれました。

「月2,000円で毎週学べるなら、料理教室に通うより断然お得」 「好きな時間に参加できるのがありがたい」

プレミアムコースの誕生

半年後、さらに嬉しい悩みが生まれました。

「もっと深く学びたい」 「個別に相談したい」 「子どもの症状に合わせたメニューを作りたい」

そこで、2023年1月、プレミアムコースを新設しました。

プレミアムプラン】

  • 月額15,000円
  • ベーシックプランの内容全て
  • 月1回の個別相談(30分)
  • カスタマイズレシピの提供
  • 優先予約権

「15,000円は高すぎるかな...」と思いましたが、5名の方がすぐに申し込んでくれました。

リピーター獲得の仕組み作り

価格以上に大切だったのは、「続けたい」と思ってもらえる仕組み作りでした。

1. レシピアーカイブの充実

毎回のレッスンで使用したレシピは、すべてPDF化して会員サイトにアップ。過去のレシピも検索できるようにしました。

「あの時のレシピ、また作りたい!」という時に、すぐにアクセスできる。これが継続の理由の一つになりました。

2. コミュニティの形成

Facebookグループ「アレルギーっ子ママの情報交換会」を作成。レッスン参加者限定で、日々の悩みや成功体験を共有する場にしました。

「今日、保育園の先生に『お弁当、いつも美味しそうですね』って言われました!」 「米粉パン、3回目で成功!皆さんのアドバイスのおかげです」

メンバー同士が励まし合い、教え合う。私が全てを教えるのではなく、皆で学び合う場になっていきました。

3. 季節イベントの開催

通常レッスンとは別に、季節ごとの特別イベントを企画しました。

  • 春:お花見弁当を作ろう
  • 夏:アレルギー対応アイスクリーム
  • 秋:ハロウィンお菓子
  • 冬:クリスマスケーキ

「アレルギーがあっても、季節のイベントを楽しめる」

この体験が、多くのママたちの心を掴みました。

実践のヒント:コミュニティの力を活用する オンラインビジネスは孤独になりがち。でも、コミュニティがあれば、メンバー同士のつながりが退会防止になります。あなたのビジネスでも、顧客同士が交流できる場を作ってみてください。

成果と数値

1年後の2023年6月時点での成果は以下の通りでした。

会員数】

  • ベーシックプラン:35名
  • プレミアムプラン:8名

継続率】

  • 6ヶ月以上:80%
  • 1年以上:65%

新規獲得】

  • 口コミ経由:40%
  • Instagram経由:35%
  • その他:25%

特筆すべきは、口コミの割合の高さです。

「友達にも勧めたいんですが、紹介特典とかありますか?」

この質問をきっかけに、紹介制度も作りました。紹介者・被紹介者ともに初月20%オフ。これにより、さらに口コミが加速しました。

価格設定の学び

振り返ってみると、価格設定で大切だったのは以下の3つでした。

1. 価値に見合った価格設定

安すぎる価格は、逆に価値を下げる。提供している知識、時間、サポートの総合的な価値を考慮することが大切。

2. 段階的な値上げ

最初から完璧な価格設定は難しい。サービスの質を上げながら、段階的に価格も調整していく。

3. 選択肢の提供

全ての人に同じサービスは必要ない。ニーズに応じた複数のプランを用意することで、より多くの人にアプローチできる。

この時点で、月商は約60万円に到達していました。でも、これはまだ始まりに過ぎませんでした。

B2C→B2B展開の成功パターン|個人向けから法人向けへの事業拡大モデル

転機となった1本のメール

2023年9月のある朝、見慣れないドメインからのメールが届いていました。

「株式会社〇〇の人事部の田中と申します。貴方のInstagramを拝見し、ご相談があります」

最初は営業メールかと思いました。でも、内容を読んで驚きました。

「弊社では健康経営の一環として、社員向けの料理教室を検討しています。アレルギー対応も含めた、家族の健康を考えた料理を学べる機会を提供したいのですが...」

地元では有名な中堅IT企業からの問い合わせでした。

企業ニーズの発見

打ち合わせで分かったのは、企業が抱える切実な課題でした。

「リモートワークで社員の健康管理が難しい」 「子育て世代の社員が多く、家族の健康も会社として支援したい」 「福利厚生の一環として、実用的なスキルを身につけてほしい」

個人向けとは全く違うニーズ。でも、私が提供できる価値はここにもあると確信しました。

法人向けプログラムの開発

1ヶ月かけて、企業向けの特別プログラムを作りました。

「働くパパママのための時短×健康料理講座」

  • 全6回(月1回、3ヶ月完結)
  • 1回90分のオンラインセミナー
  • テーマ:時短、栄養バランス、アレルギー対応
  • 参加者限定のレシピ集付き

価格設定に悩みましたが、企業研修の相場を調べ、1回5万円(全6回で30万円)で提案しました。

「個人レッスンの25倍!?」と自分でも驚きましたが、企業にとっては妥当な投資額でした。

初めての法人研修

2023年11月、初めての企業研修がスタート。参加者は20名。画面越しに並ぶスーツ姿の方々に、最初は圧倒されました。

でも、始まってみれば、皆さん一人の親。

「子どもの好き嫌いが激しくて...」 「朝食を作る時間がなくて、いつもパンだけ」 「アレルギーはないけど、健康的な食事をさせたい」

悩みは個人の生徒さんと同じでした。

実践のヒント:B2Bでも、最終的には個人の悩み解決 企業向けサービスでも、受講するのは一人一人の個人。その人たちの具体的な悩みを解決することを忘れないでください。

営業戦略の展開

最初の研修が好評で、人事担当者から嬉しい言葉をいただきました。

「参加者の満足度が非常に高いです。他の企業にも紹介していいですか?」

これをきっかけに、法人営業を本格化させました。

LinkedInでの発信 それまで使っていなかったLinkedInでアカウントを作成。企業の健康経営、ワークライフバランスといったテーマで記事を投稿し始めました。

商工会議所でのプレゼン 地元の商工会議所の交流会で、10分間のプレゼンの機会をいただきました。「社員の健康は企業の資産」というメッセージが響き、3社から問い合わせが来ました。

成功事例の横展開 最初の企業での成功事例をまとめ、提案資料を作成。具体的な成果(参加者の声、行動変容など)を数値化して示すことで、説得力が増しました。

成果と新たな課題

法人展開から6ヶ月後の成果:

  • 契約企業数:5社
  • 月平均2〜3件の研修実施
  • 法人売上:月40〜60万円

個人向けと合わせて、月商100万円が見えてきました。でも、新たな課題も生まれました。

「企業研修と個人レッスンの両立が難しい」 「準備時間が膨大になってきた」 「体力的にも限界を感じる」

一人で全てをこなすことの限界を感じ始めていました。

ビジネスの学び

  • B2B市場は単価が高く、安定収入につながる
  • 個人向けサービスで培った実績が、法人営業の武器になる
  • 企業のニーズを理解し、それに合わせたプログラム開発が重要
  • 成功事例の見える化が、次の契約につながる
  • スケーラビリティの課題は、成長の証でもある

月商100万円ビジネスモデルの構造分析|スケールアップと組織化の考察

数字の内訳(2024年4月時点)

ついに、目標だった月商100万円を達成しました。内訳は以下の通りです。

個人向けサービス:60万円

  • ベーシックプラン:30名 × 8,000円 = 24万円
  • プレミアムプラン:10名 × 15,000円 = 15万円
  • 単発レッスン・特別講座:21万円

法人向けサービス:40万円

  • 定期契約企業:2社 × 15万円 = 30万円
  • 単発研修:2件 × 5万円 = 10万円

数字を見つめながら、3年前の自分には想像もできなかった現実に、改めて驚きを感じました。

組織化への第一歩

しかし、喜びも束の間。このペースを一人で続けることは、物理的に不可能でした。

「ママ、最近疲れてるよね」

長女の言葉にハッとしました。仕事に夢中になりすぎて、家族との時間が減っていたのです。

これではいけない。そう思い、初めて「人を雇う」という決断をしました。

アシスタント講師の採用

最初に声をかけたのは、プレミアムプランの生徒さんだった山田さんでした。元栄養士で、息子さんに重度のアレルギーがある彼女は、私のレッスンを1年以上受講していました。

「美咲さんの仕事を手伝わせてもらえませんか?」

実は彼女の方から申し出てくれたのです。月15万円の業務委託契約でスタート。最初は個人レッスンの一部を担当してもらいました。

外注化の決断

次に着手したのは、時間を大量に消費していた動画編集です。

クラウドソーシングサイトで編集者を探し、月5万円で契約。Instagram用のリール動画と、レッスンの録画編集をお願いしました。

さらに、経理業務も税理士事務所に依頼。月3万円の顧問料は決して安くありませんでしたが、確定申告の不安から解放されました。

「投資」として考えれば、十分にペイする金額でした。

新たな挑戦

組織化により生まれた時間で、新しいプロジェクトに着手しました。

オンライン講座のプラットフォーム化

これまでリアルタイムのレッスンのみでしたが、録画講座の販売を開始。「いつでも学べるアレルギー対応料理の基礎講座」として、29,800円で販売を始めました。

一度作ってしまえば、自動的に収益を生む。このストック型ビジネスの重要性を実感しました。

出版の打診

Instagramのフォロワーが1万人を超えた頃、出版社から連絡がありました。

「アレルギー対応レシピ本を出版しませんか?」

夢のような話でしたが、同時に大きなプレッシャーも感じました。本を出すということは、より多くの責任を負うということ。

でも、「一人でも多くの親子の食卓を笑顔にしたい」という初心を思い出し、挑戦することにしました。

海外展開の可能性

意外な展開もありました。アメリカ在住の日本人ママから、「時差があっても参加したい」という問い合わせが増えたのです。

録画講座があることで、時差を気にせず学べる。さらに、英語字幕をつければ、国際結婚で日本食を作りたい外国人にもアプローチできる。

グローバルな可能性が見えてきました。

3年間の振り返り

2024年春、長女の小学校の保護者会で、3年ぶりに昔のママ友に会いました。

「美咲さん、すごいね!Instagram見てるよ」 「私も何か始めたいけど、無理かな...」

3年前の自分と同じことを言っている彼女に、伝えました。

「私も最初は『無理』って思ってた。でも、小さな一歩から始めたの。あなたにも必ずできることがあるよ」

家族の変化

この3年間で、家族にも大きな変化がありました。

夫は最初「趣味程度に」と思っていたようですが、今では最大の理解者であり、ビジネスパートナーです。休日は子どもたちの面倒を見て、私の仕事時間を作ってくれます。

子どもたちも「ママのお仕事」を誇りに思ってくれています。

「うちのママ、YouTubeに出てるんだよ!」

次女が友達に自慢している姿に、胸が熱くなりました。

失敗から学んだこと

もちろん、全てが順調だったわけではありません。

  • 価格設定を間違えて、大量キャンセルが出たこと
  • 無理なスケジュールで体調を崩したこと
  • 生徒さんとのトラブルで眠れない夜を過ごしたこと

でも、これらの失敗全てが、今の私を作っています。失敗を恐れていたら、今の場所にはいませんでした。

実践のヒント:記録を残すことの大切さ 私は毎日、簡単な業務日記をつけていました。売上、失敗、気づき、感謝。これを見返すことで、自分の成長を実感し、次の一歩を踏み出す勇気をもらえました。

あなたの「小さな一歩」は何ですか?

月商100万円。3年前には夢のまた夢だった数字です。

でも、振り返ってみれば、特別なことは何もしていません。目の前の「困った」を解決したい。その思いで、一歩ずつ進んできただけです。

あなたにも、きっと誰かの役に立つ経験や知識があるはずです。

それは、子育ての悩みかもしれません。 趣味で身につけたスキルかもしれません。 仕事で培った専門知識かもしれません。

「でも、私なんて...」

そう思った方にこそ、伝えたい。3年前の私も、全く同じことを思っていました。

今すぐできる3つのアクション

  1. 自分の「当たり前」を書き出す あなたにとっては当たり前でも、誰かにとっては貴重な情報かもしれません。
  2. 小さく始める 完璧を求めず、まず一歩を踏み出しましょう。私も最初は、たった3人から始めました。
  3. 続ける 結果はすぐには出ません。でも、続けることで必ず道は開けます。

5つの問いかけ

最後に、あなたに5つの質問をさせてください。

  1. あなたが解決したい「誰かの困った」は何ですか?
  2. その解決策を、あなたは持っていませんか?
  3. 「時間がない」は、本当に乗り越えられない壁ですか?
  4. 失敗を恐れて、行動を止めていませんか?
  5. 1年後、今と同じ場所にいたいですか?

制約は可能性の種

私の物語は、ここで終わりではありません。これからも新しい挑戦は続きます。

そして、次はあなたの番です。

アレルギーという制約が、私に新しい道を示してくれたように、あなたの制約も、きっと可能性の種になるはずです。

さあ、あなたの「小さな一歩」を踏み出してみませんか?

その一歩が、1,095日後には想像もしなかった景色へと、あなたを連れて行ってくれるかもしれません。

 

 

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