※この記事は実在の人物をモデルにした創作ストーリーです。ビジネスのヒントとしてお読みください。
はじめに
2024年の春、私は自宅のキッチンでノートパソコンの画面を見つめながら、3年前の自分を思い出していました。月商が初めて100万円を超えた瞬間、涙が止まりませんでした。
「ママ、また泣いてるの?」
小学3年生になった次女が心配そうに覗き込みます。彼女の食物アレルギーが、私の人生を変えるきっかけになるなんて、当時は想像もしていませんでした。
2021年春、緊急事態宣言下。外出もままならない日々の中、私は毎日同じ疑問を抱えていました。
「このまま専業主婦でいいのだろうか」
3人の子育てに追われ、社会から取り残されていく焦り。夫の収入だけで生活はできていたけれど、心のどこかで「私にも何かできるはず」という思いが消えませんでした。
でも、現実は厳しい。末っ子はまだ2歳。上の子たちも小学校低学年。「今は無理」「子どもが大きくなってから」そんな言い訳ばかりが頭に浮かびます。
あなたにも、きっと似たような「できない理由」があるのではないでしょうか。時間がない、お金がない、スキルがない、自信がない...。
でも、本当にそれは乗り越えられない壁なのでしょうか?
私の3年間の物語を通じて、その答えを一緒に見つけていきましょう。
ケーススタディ:制約から生まれるビジネスチャンス|アレルギー対応料理教室の着想
転機となった出来事
2021年6月、次女の美月に重度の卵アレルギーが見つかりました。アナフィラキシーショックで救急搬送された日のことは、今でも鮮明に覚えています。
「お母さん、美月ちゃんの食事は今後十分に気をつけてくださいね」
医師の言葉が重くのしかかりました。それまで料理は「そこそこできる」程度。アレルギー対応食なんて、考えたこともありませんでした。
必死でアレルギー対応レシピを研究する日々が始まりました。卵を使わないお菓子、乳製品なしのグラタン、小麦粉を使わないパン...。図書館で本を借り、ネットで情報を集め、試行錯誤を繰り返しました。
「失敗ばかりだったんです」と、今では笑い話にできますが、当時は本当に辛かった。美月に「これ、おいしくない」と言われるたびに、母親失格だと感じていました。
転機は3ヶ月後に訪れました。
ママ友からの声
「美咲さん、この前の運動会のお弁当、美月ちゃんすごく美味しそうに食べてたよね。うちの子も小麦アレルギーなんだけど、レシピ教えてもらえない?」
同じ幼稚園のママ友、佐藤さんからの一言でした。
その日の夕方、我が家のリビングで即席の料理教室が開かれました。米粉を使った唐揚げの作り方を教えながら、佐藤さんの真剣な眼差しに驚きました。
「こんなに簡単にできるなんて!うちの子、きっと喜ぶわ」
佐藤さんの笑顔を見て、初めて気づきました。私と同じように、子どものアレルギーで悩んでいるお母さんたちがたくさんいるということに。
翌週、佐藤さんが別のママ友を連れてきました。「私にも教えて」「うちの子は卵と乳製品がダメなの」。気がつけば、5人のママたちが集まっていました。
でも、問題がありました。
コロナ禍という現実
「また緊急事態宣言だって。もう集まれないね...」
2021年の夏、感染者数の増加で再び外出自粛が求められました。せっかく始まった料理教室も、これで終わりかと諦めかけていた時、佐藤さんが提案してくれました。
「Zoomでやってみない?」
正直、不安でした。パソコンは苦手だし、オンラインで料理なんて教えられるのか。でも、「やってみたい」という皆の声に背中を押されました。
最初の一歩
2021年8月15日、記念すべき第1回オンライン料理教室。参加者は3人。私は朝から緊張で手が震えていました。
「あれ?音声入ってる?」 「画面が真っ暗なんだけど」 「ママー!おやつまだー?」
案の定、トラブルの連続でした。カメラの設定を間違えて天井しか映っていなかったり、末っ子が画面に乱入してきたり。45分の予定が、結局1時間半もかかってしまいました。
でも、レッスンが終わった後のチャットメッセージに救われました。
「美咲さん、本当にありがとう!画面越しでも十分わかったよ」 「子どもが騒いでも気にしないで。うちも同じだから(笑)」 「来週もやってほしい!」
実践のヒント:最初から完璧を求めない 私の失敗から学んだことは、「完璧じゃなくていい」ということ。大切なのは、相手の役に立ちたいという気持ち。技術的な問題は、やりながら改善していけばいいのです。
制約が生んだ創造性
オンラインだからこその工夫も生まれました。
材料は事前にLINEで共有し、各自で準備してもらう。手元がよく見えるようにスマホスタンドを活用。録画機能を使って、後から見返せるようにする。
「対面じゃないからダメ」ではなく、「オンラインだからこそできること」を考えるようになりました。
例えば、それぞれの家のキッチンで同時に作るので、「うちのコンロは火力が弱くて...」といった個別の悩みにも対応できました。子どもが泣いても、ミュートにすれば他の人に迷惑をかけません。
ターゲットの明確化
3ヶ月続けるうちに、参加者の共通点が見えてきました。
- 子どもに食物アレルギーがある
- 仕事や下の子の世話で外出が難しい
- 料理は苦手ではないが、アレルギー対応食に悩んでいる
- 同じ悩みを持つママたちとつながりたい
私と同じような境遇の人たち。だからこそ、本当に必要としている情報を提供できる。これが、私の強みになりました。
ビジネスの学び
- 制約は創造性を生む原動力になる
- 自分の経験や悩みは、誰かの役に立つ可能性がある
- 小さく始めて、改善を重ねることが大切
- ターゲットを明確にすることで、提供価値が明確になる
この時はまだ、これがビジネスになるなんて考えてもいませんでした。でも、振り返ってみれば、この「制約だらけのスタート」が、後の成功の土台になっていたのです。
SNS集客戦略の実践例|Instagram活用で見込み客を獲得する方法論
Instagram戦略の進化
2021年10月、ママ友の一人が言いました。
「美咲さん、これInstagramで発信したら?絶対需要あると思う」
正直、Instagramは写真を見る専門で、投稿なんてしたことがありませんでした。40歳を目前にして、今さらSNS?という気持ちもありました。
でも、せっかく作ったレシピを記録として残したい。そんな軽い気持ちで、アカウントを作ってみました。
@misaki_allergyfree_kitchen
最初の投稿は、卵なしで作るパンケーキの写真。恥ずかしさから、顔も声も出さず、ただ完成品の写真だけ。いいねは、身内を含めて5つだけでした。
「誰も見てくれない...」
1ヶ月経っても、フォロワーは20人程度。ほとんどが知り合いでした。このまま続ける意味があるのか、悩みました。
転機は、ある投稿でした。
ハッシュタグの発見
「#アレルギー対応レシピ」「#卵不使用」「#アレルギーっ子ママ」
それまで適当につけていたハッシュタグを、きちんと調べて選ぶようにしました。すると、少しずつ知らない人からのいいねが増え始めたのです。
「はじめまして!うちの子も卵アレルギーで、参考にさせていただいてます」
初めてのDMに、心臓が飛び出そうでした。画面の向こうに、私と同じ悩みを持つ人がいる。その実感が、投稿を続ける原動力になりました。
ビフォーアフター写真の威力
3ヶ月目、ある気づきがありました。
「完成品だけじゃ、作り方がわからないよね」
そこで始めたのが、調理過程のビフォーアフター投稿です。
1枚目:材料を並べた写真 2枚目:途中経過 3枚目:完成品
特に反響が大きかったのは、「失敗例」も載せたことでした。
「米粉パンケーキ、1回目は大失敗!ぺちゃんこになりました。原因は混ぜすぎ。2回目は優しく混ぜたら、ふわふわに♪」
このリアルな投稿に、共感のコメントが殺到しました。
「私も同じ失敗しました!」 「失敗の原因がわかってスッキリ」 「プロじゃない感じが親近感あって好き」
ストーリーズでの双方向コミュニケーション
フォロワーが500人を超えた頃、ストーリーズを活用し始めました。
「今日の夕飯、何にしようか悩み中。アレルギー対応で子どもが喜ぶメニュー、アイデアください!」
すると、たくさんの返信が。
「うちは米粉餃子が人気です」 「豆乳グラタンはどうですか?」 「ソースさえ工夫すれば、普通のハンバーグでもOK」
この双方向のやり取りが、コンテンツ作りのヒントになりました。フォロワーさんの「困った」を解決するレシピを投稿すると、保存数が格段に増えました。
コンテンツ戦略の確立
半年後、投稿スタイルが確立されました。
月曜日:週末作り置きレシピ 忙しいママのために、まとめて作れるアレルギー対応の常備菜を紹介。
水曜日:10分で作れるシリーズ
「えっ、これ本当に10分?」と驚かれるような時短レシピ。子どもがぐずる前に完成するのがポイント。
金曜日:おやつレシピ 週末に子どもと一緒に作れる、簡単なアレルギー対応おやつ。
この規則正しい投稿で、フォロワーさんも「金曜日は美咲さんのおやつレシピの日」と楽しみにしてくれるように。
リール動画への挑戦
2022年春、フォロワー3,000人の壁にぶつかりました。成長が止まったのです。
そんな時、フォロワーさんから「動画で見たい」というリクエストが。正直、動画編集なんてやったことがない。でも、「できない」で終わらせたくありませんでした。
最初のリール動画は、15秒の「卵なし・バナナマフィンの作り方」。編集に3時間もかかりました。
でも、投稿してびっくり。再生回数が一晩で1万回を超えたのです。
「動画だとすごくわかりやすい!」 「この速さなら最後まで見られる」 「保存して何度も見返してます」
実践のヒント:新しいことへの挑戦を恐れない 最初は時間がかかっても、慣れれば効率化できます。私も今では15分で1本のリール動画を作れるようになりました。大切なのは、完璧じゃなくても始めてみること。
数字の変化と気づき
3ヶ月目(2022年1月)
- フォロワー:100人
- 月間リーチ:5,000人
- 問い合わせ:0件
6ヶ月目(2022年4月)
- フォロワー:1,000人
- 月間リーチ:50,000人
- 問い合わせ:月5件
12ヶ月目(2022年10月)
- フォロワー:5,000人
- 月間リーチ:200,000人
- 申し込み:月20件
数字以上に嬉しかったのは、フォロワーさんからのメッセージでした。
「美咲さんのレシピのおかげで、息子が『ママの料理、おいしい』って言ってくれました」
「アレルギーで諦めていた料理にも挑戦できるようになりました」
無料と有料のバランス
フォロワーが増えるにつれ、「もっと詳しく教えてほしい」という声が増えました。でも、全てを無料で提供していては、時間がいくらあっても足りません。
そこで、線引きをしました。
無料(Instagram)
- 基本的なレシピと作り方
- 日常的な情報発信
- 簡単な質問への回答
有料(オンラインレッスン)
- 詳細な調理のコツ
- 個別の悩み相談
- 失敗しないためのポイント解説
- レシピのアレンジ方法
この差別化により、「もっと学びたい人」が自然とレッスンに申し込んでくれるようになりました。
ビジネスの学び
- 一貫性のあるブランディングが信頼を生む
- フォロワーの声に耳を傾け、求められているものを提供する
- 無料コンテンツは集客、有料サービスは価値提供と役割を分ける
- 数字を追うより、一人一人との関係性を大切にする
SNSは単なる発信ツールではなく、同じ悩みを持つ人たちとつながる「架け橋」でした。そして、このつながりが、次のステップへと導いてくれたのです。
価格設定とリピーター戦略のモデルケース|サブスク化による収益安定化
価格設定の試行錯誤
2022年1月、ついに有料レッスンをスタートすることにしました。でも、最初の壁は「いくらにするか」でした。
「お金をもらうなんて、おこがましいかな...」
主婦の感覚で、最初は1回1,000円に設定しようとしました。でも、夫に相談すると意外な答えが返ってきました。
「1,000円?安すぎない?美咲の時間と知識の価値は、もっと高いよ」
結局、1回60分で2,000円からスタート。それでも「高いと思われたらどうしよう」と不安でした。
初回の申し込みは3名。全員、Instagramの熱心なフォロワーさんでした。
「2,000円でこんなに教えてもらえるなんて、安すぎます!」
レッスン後の感想に驚きました。私が提供している価値を、私自身が一番理解していなかったのです。
サブスクリプションモデルへの転換
3ヶ月後、ある問題に直面しました。
「毎回予約を取るのが大変」 「継続的に学びたいけど、都度払いは負担」
参加者からこんな声が上がり始めたのです。そこで思い切って、月額制のサブスクリプションを導入することにしました。
2022年6月スタート:ベーシックプラン】
- 月額8,000円
- 月4回のグループレッスン(各60分)
- レシピPDF付き
- Facebookグループでの質問し放題
最初は「高いと思われるかも」と心配しましたが、なんと初月で15名が申し込んでくれました。
「月2,000円で毎週学べるなら、料理教室に通うより断然お得」 「好きな時間に参加できるのがありがたい」
プレミアムコースの誕生
半年後、さらに嬉しい悩みが生まれました。
「もっと深く学びたい」 「個別に相談したい」 「子どもの症状に合わせたメニューを作りたい」
そこで、2023年1月、プレミアムコースを新設しました。
プレミアムプラン】
- 月額15,000円
- ベーシックプランの内容全て
- 月1回の個別相談(30分)
- カスタマイズレシピの提供
- 優先予約権
「15,000円は高すぎるかな...」と思いましたが、5名の方がすぐに申し込んでくれました。
リピーター獲得の仕組み作り
価格以上に大切だったのは、「続けたい」と思ってもらえる仕組み作りでした。
1. レシピアーカイブの充実
毎回のレッスンで使用したレシピは、すべてPDF化して会員サイトにアップ。過去のレシピも検索できるようにしました。
「あの時のレシピ、また作りたい!」という時に、すぐにアクセスできる。これが継続の理由の一つになりました。
2. コミュニティの形成
Facebookグループ「アレルギーっ子ママの情報交換会」を作成。レッスン参加者限定で、日々の悩みや成功体験を共有する場にしました。
「今日、保育園の先生に『お弁当、いつも美味しそうですね』って言われました!」 「米粉パン、3回目で成功!皆さんのアドバイスのおかげです」
メンバー同士が励まし合い、教え合う。私が全てを教えるのではなく、皆で学び合う場になっていきました。
3. 季節イベントの開催
通常レッスンとは別に、季節ごとの特別イベントを企画しました。
- 春:お花見弁当を作ろう
- 夏:アレルギー対応アイスクリーム
- 秋:ハロウィンお菓子
- 冬:クリスマスケーキ
「アレルギーがあっても、季節のイベントを楽しめる」
この体験が、多くのママたちの心を掴みました。
実践のヒント:コミュニティの力を活用する オンラインビジネスは孤独になりがち。でも、コミュニティがあれば、メンバー同士のつながりが退会防止になります。あなたのビジネスでも、顧客同士が交流できる場を作ってみてください。
成果と数値
1年後の2023年6月時点での成果は以下の通りでした。
会員数】
- ベーシックプラン:35名
- プレミアムプラン:8名
継続率】
- 6ヶ月以上:80%
- 1年以上:65%
新規獲得】
- 口コミ経由:40%
- Instagram経由:35%
- その他:25%
特筆すべきは、口コミの割合の高さです。
「友達にも勧めたいんですが、紹介特典とかありますか?」
この質問をきっかけに、紹介制度も作りました。紹介者・被紹介者ともに初月20%オフ。これにより、さらに口コミが加速しました。
価格設定の学び
振り返ってみると、価格設定で大切だったのは以下の3つでした。
1. 価値に見合った価格設定
安すぎる価格は、逆に価値を下げる。提供している知識、時間、サポートの総合的な価値を考慮することが大切。
2. 段階的な値上げ
最初から完璧な価格設定は難しい。サービスの質を上げながら、段階的に価格も調整していく。
3. 選択肢の提供
全ての人に同じサービスは必要ない。ニーズに応じた複数のプランを用意することで、より多くの人にアプローチできる。
この時点で、月商は約60万円に到達していました。でも、これはまだ始まりに過ぎませんでした。
B2C→B2B展開の成功パターン|個人向けから法人向けへの事業拡大モデル
転機となった1本のメール
2023年9月のある朝、見慣れないドメインからのメールが届いていました。
「株式会社〇〇の人事部の田中と申します。貴方のInstagramを拝見し、ご相談があります」
最初は営業メールかと思いました。でも、内容を読んで驚きました。
「弊社では健康経営の一環として、社員向けの料理教室を検討しています。アレルギー対応も含めた、家族の健康を考えた料理を学べる機会を提供したいのですが...」
地元では有名な中堅IT企業からの問い合わせでした。
企業ニーズの発見
打ち合わせで分かったのは、企業が抱える切実な課題でした。
「リモートワークで社員の健康管理が難しい」 「子育て世代の社員が多く、家族の健康も会社として支援したい」 「福利厚生の一環として、実用的なスキルを身につけてほしい」
個人向けとは全く違うニーズ。でも、私が提供できる価値はここにもあると確信しました。
法人向けプログラムの開発
1ヶ月かけて、企業向けの特別プログラムを作りました。
「働くパパママのための時短×健康料理講座」
- 全6回(月1回、3ヶ月完結)
- 1回90分のオンラインセミナー
- テーマ:時短、栄養バランス、アレルギー対応
- 参加者限定のレシピ集付き
価格設定に悩みましたが、企業研修の相場を調べ、1回5万円(全6回で30万円)で提案しました。
「個人レッスンの25倍!?」と自分でも驚きましたが、企業にとっては妥当な投資額でした。
初めての法人研修
2023年11月、初めての企業研修がスタート。参加者は20名。画面越しに並ぶスーツ姿の方々に、最初は圧倒されました。
でも、始まってみれば、皆さん一人の親。
「子どもの好き嫌いが激しくて...」 「朝食を作る時間がなくて、いつもパンだけ」 「アレルギーはないけど、健康的な食事をさせたい」
悩みは個人の生徒さんと同じでした。
実践のヒント:B2Bでも、最終的には個人の悩み解決 企業向けサービスでも、受講するのは一人一人の個人。その人たちの具体的な悩みを解決することを忘れないでください。
営業戦略の展開
最初の研修が好評で、人事担当者から嬉しい言葉をいただきました。
「参加者の満足度が非常に高いです。他の企業にも紹介していいですか?」
これをきっかけに、法人営業を本格化させました。
LinkedInでの発信 それまで使っていなかったLinkedInでアカウントを作成。企業の健康経営、ワークライフバランスといったテーマで記事を投稿し始めました。
商工会議所でのプレゼン 地元の商工会議所の交流会で、10分間のプレゼンの機会をいただきました。「社員の健康は企業の資産」というメッセージが響き、3社から問い合わせが来ました。
成功事例の横展開 最初の企業での成功事例をまとめ、提案資料を作成。具体的な成果(参加者の声、行動変容など)を数値化して示すことで、説得力が増しました。
成果と新たな課題
法人展開から6ヶ月後の成果:
- 契約企業数:5社
- 月平均2〜3件の研修実施
- 法人売上:月40〜60万円
個人向けと合わせて、月商100万円が見えてきました。でも、新たな課題も生まれました。
「企業研修と個人レッスンの両立が難しい」 「準備時間が膨大になってきた」 「体力的にも限界を感じる」
一人で全てをこなすことの限界を感じ始めていました。
ビジネスの学び
- B2B市場は単価が高く、安定収入につながる
- 個人向けサービスで培った実績が、法人営業の武器になる
- 企業のニーズを理解し、それに合わせたプログラム開発が重要
- 成功事例の見える化が、次の契約につながる
- スケーラビリティの課題は、成長の証でもある
月商100万円ビジネスモデルの構造分析|スケールアップと組織化の考察
数字の内訳(2024年4月時点)
ついに、目標だった月商100万円を達成しました。内訳は以下の通りです。
個人向けサービス:60万円
- ベーシックプラン:30名 × 8,000円 = 24万円
- プレミアムプラン:10名 × 15,000円 = 15万円
- 単発レッスン・特別講座:21万円
法人向けサービス:40万円
- 定期契約企業:2社 × 15万円 = 30万円
- 単発研修:2件 × 5万円 = 10万円
数字を見つめながら、3年前の自分には想像もできなかった現実に、改めて驚きを感じました。
組織化への第一歩
しかし、喜びも束の間。このペースを一人で続けることは、物理的に不可能でした。
「ママ、最近疲れてるよね」
長女の言葉にハッとしました。仕事に夢中になりすぎて、家族との時間が減っていたのです。
これではいけない。そう思い、初めて「人を雇う」という決断をしました。
アシスタント講師の採用
最初に声をかけたのは、プレミアムプランの生徒さんだった山田さんでした。元栄養士で、息子さんに重度のアレルギーがある彼女は、私のレッスンを1年以上受講していました。
「美咲さんの仕事を手伝わせてもらえませんか?」
実は彼女の方から申し出てくれたのです。月15万円の業務委託契約でスタート。最初は個人レッスンの一部を担当してもらいました。
外注化の決断
次に着手したのは、時間を大量に消費していた動画編集です。
クラウドソーシングサイトで編集者を探し、月5万円で契約。Instagram用のリール動画と、レッスンの録画編集をお願いしました。
さらに、経理業務も税理士事務所に依頼。月3万円の顧問料は決して安くありませんでしたが、確定申告の不安から解放されました。
「投資」として考えれば、十分にペイする金額でした。
新たな挑戦
組織化により生まれた時間で、新しいプロジェクトに着手しました。
オンライン講座のプラットフォーム化
これまでリアルタイムのレッスンのみでしたが、録画講座の販売を開始。「いつでも学べるアレルギー対応料理の基礎講座」として、29,800円で販売を始めました。
一度作ってしまえば、自動的に収益を生む。このストック型ビジネスの重要性を実感しました。
出版の打診
Instagramのフォロワーが1万人を超えた頃、出版社から連絡がありました。
「アレルギー対応レシピ本を出版しませんか?」
夢のような話でしたが、同時に大きなプレッシャーも感じました。本を出すということは、より多くの責任を負うということ。
でも、「一人でも多くの親子の食卓を笑顔にしたい」という初心を思い出し、挑戦することにしました。
海外展開の可能性
意外な展開もありました。アメリカ在住の日本人ママから、「時差があっても参加したい」という問い合わせが増えたのです。
録画講座があることで、時差を気にせず学べる。さらに、英語字幕をつければ、国際結婚で日本食を作りたい外国人にもアプローチできる。
グローバルな可能性が見えてきました。
3年間の振り返り
2024年春、長女の小学校の保護者会で、3年ぶりに昔のママ友に会いました。
「美咲さん、すごいね!Instagram見てるよ」 「私も何か始めたいけど、無理かな...」
3年前の自分と同じことを言っている彼女に、伝えました。
「私も最初は『無理』って思ってた。でも、小さな一歩から始めたの。あなたにも必ずできることがあるよ」
家族の変化
この3年間で、家族にも大きな変化がありました。
夫は最初「趣味程度に」と思っていたようですが、今では最大の理解者であり、ビジネスパートナーです。休日は子どもたちの面倒を見て、私の仕事時間を作ってくれます。
子どもたちも「ママのお仕事」を誇りに思ってくれています。
「うちのママ、YouTubeに出てるんだよ!」
次女が友達に自慢している姿に、胸が熱くなりました。
失敗から学んだこと
もちろん、全てが順調だったわけではありません。
- 価格設定を間違えて、大量キャンセルが出たこと
- 無理なスケジュールで体調を崩したこと
- 生徒さんとのトラブルで眠れない夜を過ごしたこと
でも、これらの失敗全てが、今の私を作っています。失敗を恐れていたら、今の場所にはいませんでした。
実践のヒント:記録を残すことの大切さ 私は毎日、簡単な業務日記をつけていました。売上、失敗、気づき、感謝。これを見返すことで、自分の成長を実感し、次の一歩を踏み出す勇気をもらえました。
あなたの「小さな一歩」は何ですか?
月商100万円。3年前には夢のまた夢だった数字です。
でも、振り返ってみれば、特別なことは何もしていません。目の前の「困った」を解決したい。その思いで、一歩ずつ進んできただけです。
あなたにも、きっと誰かの役に立つ経験や知識があるはずです。
それは、子育ての悩みかもしれません。 趣味で身につけたスキルかもしれません。 仕事で培った専門知識かもしれません。
「でも、私なんて...」
そう思った方にこそ、伝えたい。3年前の私も、全く同じことを思っていました。
今すぐできる3つのアクション
- 自分の「当たり前」を書き出す あなたにとっては当たり前でも、誰かにとっては貴重な情報かもしれません。
- 小さく始める 完璧を求めず、まず一歩を踏み出しましょう。私も最初は、たった3人から始めました。
- 続ける 結果はすぐには出ません。でも、続けることで必ず道は開けます。
5つの問いかけ
最後に、あなたに5つの質問をさせてください。
- あなたが解決したい「誰かの困った」は何ですか?
- その解決策を、あなたは持っていませんか?
- 「時間がない」は、本当に乗り越えられない壁ですか?
- 失敗を恐れて、行動を止めていませんか?
- 1年後、今と同じ場所にいたいですか?
制約は可能性の種
私の物語は、ここで終わりではありません。これからも新しい挑戦は続きます。
そして、次はあなたの番です。
アレルギーという制約が、私に新しい道を示してくれたように、あなたの制約も、きっと可能性の種になるはずです。
さあ、あなたの「小さな一歩」を踏み出してみませんか?
その一歩が、1,095日後には想像もしなかった景色へと、あなたを連れて行ってくれるかもしれません。